富山県南砺市 観光大使記録 2008年2月

 無名舎(大学の合掌造)の雨戸を開けた瞬間、目に飛び込んできた墨絵の世界と冷気の醸し出す荘厳さに身震いした時のあの記憶は鮮明に残っている。秘境とも言われた五箇山の朝の山々は、まさに神が宿っているようであり、このことが私と平村との最初の出会いであった。

 隣接するそれぞれの村を知るにつれ、この地域の豊かで特徴ある文化に魅せられていった。平村の産業の一つである和紙を介して催される和紙祭りの<ちぎり絵展>を契機に、毎年の訪問者になった。<ちぎる>という単純な行為からうまれる和紙の芸術作品は、雪国の忍耐強い生活そのものでもある。その生活を支える文化の深さは、春夏秋冬を背景に、家屋、民謡、食に見ることが出来る。雪は音を吸収して静けさと小休止の時間、家族団欒の時をもたらしている。

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和紙の里 工芸館
野原 館長
五箇山とうふ
 
 

 2008年2月9日 午前、富山県南砺市観光大使の認証式に出席のため、真冬の富山南砺市利賀村を訪れた私は、南砺市観光課の西井氏の車で利賀村を目指した。認証式は夕方5時30分からなので、福光で昼食をとり、世界的な版画家、棟方志功作品常設の愛染苑と住居の鯉雨画齋(りゆうがさい)を訪ねたとき、雪は本降りとなった。次に福光美術館を訪れた。ここには、棟方志功のほかに彫刻、陶芸で活躍した松村秀太郎の作品が展示されている。

棟方 志功  愛染苑
鯉雨画
福光美術館
 
 

 利賀村<そば祭り>の会場内に造られたステージから韓国の音楽が流れ、雪が降り続く沿道は屋台で賑わっていた。会場正面には雪でデコレーションされたステージが造られていた。雪像の並ぶ中、雪で造られた交番は微笑ましい空間を造っていた。南砺市は4町4村が合併して誕生したこともあり、それぞれの地域から委託された観光大使は24名と聞かされていたが、今回は9名の出席であった。
 南砺市観光連盟会長の米沢弘隆氏から、委嘱状を受け取り約50分のセレモニーは終わったが、降り注ぐ雪のなかでの厳かな儀式は大変幻想的であった。その後開かれた懇親会では、冷え切った身体を地酒と名産のそばが冷え切った体を温めてくれた。真冬の五箇山訪問は実に貴重な体験であった。

 
 
  

 翌日、旧平村の和紙工芸館を訪ねるため、観光課の比尾氏の車で雪道を走った。標高が利賀村より低いため積雪は少なかった。工芸館館長の野原氏および東氏と打ち合わせをしながらショップを見ると観光客が和紙などを買い求めていた。体験館には、凍り付いた楮が竿一杯に乾されていた。
 隣接する道の駅の、お食事喫茶 <まつ> でコーヒーを飲みながら、和紙による作品やちぎり絵の構想をしばし考えたが、「そうだ、相倉へ行こう」と思い立ち移動することにした。

お食事喫茶 <まつ> の松谷さん
  
  

 世界文化遺産の相倉集落23棟は、庄川沿いの傾斜地にある。この日は三連休の中日で、天気も良く多くの観光客で賑わっていた。
 雪に埋もれた合掌家屋は雪景色の主役であり美しい。

相倉合掌集落
  
  

 五箇山の民謡、<こきりこ>、<麦屋節>はよく知られているが、民謡と合掌そして地理的環境が育んだ歴史は、400年前の村上家や300年前に建てられた五箇山最大規模の5階建ての岩瀬家に見ることが出来る。また<塩硝の館>では、かつて一大産業であった塩硝の製造過程や道具を菅沼集落で学ぶことができる。

トンネルを抜けるとささらアーチと三笑楽が迎えてくれる
  
  

 国道156号線で富山へ向かう途中の <ゆー楽> で温泉を楽しんだ。眼下に広がる庄川の湖面を眺めての入浴は最高、多くの家族連れが憩っていた。
 文化が凝縮されている五箇山の春夏秋冬は、私たちをいろいろな表情で迎えてくれる。
 富山県立水墨美術館を訪れた。京都三十三間堂をイメージした日本建築の美術館では、62人の子供たちの墨画の展示会を見ることが出来た。子供たちの作品は、力強く楽しさが伝わってきた。

富山県立水墨美術館
茶室 < 墨光庵 > 比尾氏と
  

  


   

富山県 南砺市観光課 公式ホームページ
 
富山県南砺市 公式ホームページ
 
富山県 公式ホームページ
 
和紙の里 工芸館
  
南砺市立福光美術館
  
砺市観光ガイド

  

  

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